看板の効果を左右する要素のうち、影響が大きいのがサイズです。サイズによって注目度やコストは全く変わってきますし、他店と差をつけられるポイントでもあります。ですが、実際に設置するとなると、どのサイズが適切なのか迷ってしまう方も多いと思います。この記事では、適切な看板のサイズについて、さまざまな業種を想定しながら解説します。 

 

◇看板サイズが与える印象と集客への影響とは? 

看板は、店舗や企業の「顔」として顧客を迎える重要な媒体です。そのデザインの要素の中でも「サイズ」は、顧客からの視線を集め、ブランドイメージを形成するために軽視できない部分です。では、看板のサイズはどのような印象を与え、集客にどう影響するのでしょうか?ここでは、看板サイズの重要性と効果を高めるポイントについて解説します。 

 

◎看板サイズが伝える印象の違い 

店舗前に十数メートルの看板と数十センチの看板があるのとでは、受ける印象は全く異なりますよね。看板のサイズは、非常にわかりやすく顧客に与えるイメージを大きく左右します。 

  • 大型看板 → 「存在感」や「信頼感」、「店舗の規模」「権威」をアピールできます。(例:ショッピングモール、チェーン店) 
  • 中型看板 → 「バランスの良さ」や「親しみやすさ」という印象を与えます。(例:カフェ、小売店) 
  • 小型看板 → 派手にアピールしないことで「おしゃれ」「高級感」、「こだわり」「手作り感」といったブランディングに有効です。(例:ブティック、高級レストラン) 

このようにサイズによって、店舗のターゲット層やコンセプトを効果的に伝えることができます。 

 

◎看板サイズと視認性の関係 

集客において、看板が「どれだけ目立つか」は重要なポイントです。なぜなら、潜在顧客から看板を視認してもらうことで初めて店舗の集客への第一歩となるからです。「気づいてもらえない」看板ではコストをかけた意味が半減してしまいます。 

  • 歩行者・車からの視認性 → 大型看板は遠くからでも認識可能なので、幹線道路沿いなど人が多い場所で特に有効です。 
  • 設置場所とのバランス → 狭い路地では大きなサイズよりも視界に入りきる小型看板のほうが目立つ場合もあります。 
  • 文字の読みやすさ → 文字サイズが小さすぎると情報が伝わらないので、注意が必要です。 

適切なサイズ選びによって、効果的な集客が可能になります。 

 

◎業種別・おすすめの看板サイズ 

業態や立地によっても、最適な看板サイズは異なります。以下はあくまでも目安ですが、このようなサイズが好まれる傾向にあります。 

  • 飲食店 → 中型(おすすめのメニューや店内の雰囲気をアピール) 
  • 小売店 → 中~大型(目玉商品やお得な価格を強調) 
  • オフィス・クリニック → 小型~中型(派手さよりも信頼感と清潔感を演出) 

「誰に」「どんな目的で」見せるかによって、最適なサイズを選びましょう。 

 

 

◇設置場所別で考える最適なサイズの選び方【壁面・スタンド・屋上など】 

看板の効果を最大化するには、「設置場所」に適したサイズを選ぶことが重要です。同じデザインでも、設置場所によって最適な大きさや形状は異なるものです。ここでは、壁面看板・スタンド看板・屋上看板・軒先看板の4つの設置パターン別に、適切なサイズ選びのポイントを解説します。 

 

◎壁面看板|建物の顔としての存在感を演出 

壁面看板は、店舗やビルの外壁に直接取り付けるタイプで、店舗の存在を示せるよう遠くからでも認識できることが重要です。 

適切なサイズの目安 

  • 小型(~1m²) → 狭い路地や落ち着いた雰囲気の地域にある店舗(カフェ、バーなど) 
  • 中型(1~3m²) → 個人経営・小型の小売店や飲食店(ファストフード店、コンビニなど) 
  • 大型(3m²~) → 大型の商業施設やチェーン店(デパート、スーパーなど) 

ポイント 

✔ 建物のバランスを考慮(店舗に対して大きすぎると圧迫感を与える場合も)
✔ 情報を詰め込まず、文字やロゴは遠くからでも読みやすいサイズに 

 

◎スタンド看板(Aフレーム・自立式)|歩行者の目線をキャッチ 

スタンド看板は、店先や歩道沿いに設置するタイプで、道ゆく人々の視界に入りやすい高さとサイズが重要です。 

適切なサイズの目安 

  • 小型(幅60cm~80cm) → 狭い歩道沿いの飲食店やカフェのメニュー看板 
  • 中型(幅80cm~120cm) → 小売店のプロモーションや誘導標識 
  • 大型(120cm~) → 期間限定のイベントやキャンペーンの告知 

ポイント 

✔ 歩行者目線(地上から1.2m~1.5m)に情報を配置
✔ なるべく風や衝撃で倒れにくい素材・構造を選ぶ 

 

◎屋上看板|遠方からの認知度を高める 

屋上看板は、ビルや商業施設の屋上に設置され、他の看板と比較して遠くや高所からでも目立つことが最大の強みです。 

適切なサイズの目安 

  • 小型(~5m²) → 低層ビルや住宅街の店舗向け 
  • 中型(5~10m²) → 中規模商業施設や中層オフィスビル 
  • 大型(10m²~) → 大型ショッピングモール・ランドマークとなるビル 

ポイント 

✔ 周辺の景観や規制(条例)を確認する必要あり
✔ 夜間の視認性を考慮した照明設計が重要 

 

◎軒先看板・のれん|近距離からのアプローチに最適 

軒先看板は、入り口付近に設置され、店舗の近くを通る人へのアピールに適しています。 

適切なサイズの目安 

  • 小型(幅30~60cm) → 個室型飲食店・居酒屋 
  • 中型(幅60~100cm) → カフェ・雑貨店 
  • 大型(100cm~) → チェーンの居酒屋・ファミレス 

ポイント 

✔ 歩行者と近い距離のため、細かいデザインも認識してもらえる
✔ 天候(雨・風)に強い素材を選定するとコストパフォーマンス良 

 

 

◇遠くからでも伝わる!視認距離と看板サイズの関係 

看板は「見られること」が大前提の媒体です。特に、車や歩行者から遠く離れた場所でも認識できるかどうかは、集客に直結し、看板の存在意義を左右します。ですが実際にどれくらいのサイズにすれば十分な視認性が確保できるかわからないという方も多いでしょう。ここでは、「視認距離」と「看板サイズ」の関係を解説し、効果的な看板設計のポイントを紹介します。 

 

◎視認距離とは?「認識できる距離」の基準 

視認距離とは、看板の文字やデザインが「どの程度離れた距離から認識できるか」を表す指標です。 

  • 歩行者(時速4km) → 5~50m先の看板を確認できます 
  • 自動車(時速40~60km) → 近くの小さな看板を認識するのは困難。100~200m先の看板を瞬時に判断する必要あり 

✓ 看板の目的に合わせた視認距離を設定しましょう 

  • 近距離(歩道沿い、店頭看板)→ 5~20m 
  • 中距離(道路沿い)→ 20~100m 
  • 遠距離(高速道路・屋上)→ 100m以上 

看板の目的によってこれくらいの視認距離を想定しましょう。 

 

◎看板サイズと視認距離の計算方法 

「どれくらい遠くから読めるか?」を決定づける要素として、文字の高さと背景とのコントラストもあります。 

【基本計算式】 

視認可能距離(m)≒ 文字高さ(cm)× 5 で算出しましょう。
(例)20cmの文字 → 約100m先から認識可能 

文字サイズ  認識可能な距離  適用例 
3cm  15m  歩行者向け看板 
20cm  100m  幹線道路沿いの看板 
50cm~  250m~  高速道路・大型看板 

✓ 注意点 

  • フォント(太さ・書体)によっても視認性は変わる 
  • 夜間は照明による影響が大 

 

◎業種別・推奨サイズと視認距離の目安 

上述したように看板の目的によって、最適なサイズと視認距離は異なります。これまでの内容を踏まえて、ご自身の店舗・事業所に適した看板サイズと文字サイズを計算してみましょう。 

① 飲食店(ファストフード・カフェ) 

  • 推奨サイズ:幅1.5~3m(文字高さ5~30cm) 
  • 視認距離:15~150m(車と歩行者双方にアピール) 

② 小売店(スーパー・コンビニ) 

  • 推奨サイズ:幅2~5m(文字高さ30~50cm) 
  • 視認距離:150~200m(高速で移動するドライバーからも読み取れる大きさ) 

③ 大型商業施設(ショッピングモール) 

  • 推奨サイズ:幅5m~(文字高さ50cm~) 
  • 視認距離:300m以上(遠方からの誘導を意識) 

 

 

◇まとめ 

看板のサイズは、顧客の心理や集客に直接的な影響を与える要素です。大型看板は目立ちやすく信頼感を、小型看板は洗練されたおしゃれなイメージを伝えることが可能です。「どの距離から、誰に見てほしいか?」を制作前に明確にし、適切なサイズとデザインを選定しましょう。最適なサイズを選ぶことで、効果的なプロモーションを実現できます。看板デザインを考える際は、ぜひ「サイズ」にも注目してみてください!